* U K I Y A H O N P O *
Nel mezzo del cammin di nostra vita mi ritrovai per una selva oscura,
che la diritta via era smarrita.
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正規表現講座/7
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TITLE:間違いだらけの正規表現講座 level 7 #contentsx * れっつ練習! [#vdcb7bcb] さて、駆け足でやってきましたが、第6回までの説明で、正規表現での検索の基本の部分は押さえたことになります。 次回からは、正規表現の真骨頂、正規表現を使った置換のやりかたを見ていきますが、 ここらで一旦おさらいを兼ねて、検索の練習をしてみましょう。 * おさらい [#baac8c4b] まずは、今まで出てきたメタ文字をおさらいしましょう。 |メタ文字|意味|出てきた回|h |.|任意の1文字にマッチ|[[第1回>正規表現講座/1]]| |[abc]|[]内のどれか1文字にマッチ|[[第1回>正規表現講座/2]]| |[a-z]|[]内のa~zにマッチ|[[第2回>正規表現講座/2]]| |[^abc]|[]内以外の任意の1文字にマッチ|[[第2回>正規表現講座/2]]| |*|直前の正規表現の、0回以上の繰り返し|[[第3回>正規表現講座/3]]| |+|直前の正規表現の、1回以上の繰り返し|[[第3回>正規表現講座/3]]| |?|直前の正規表現の、0回もしくは1回の繰り返し|[[第3回>正規表現講座/3]]| |()|()内の正規表現を、まとめて1つの正規表現として扱う|[[第4回>正規表現講座/4]]| |\t|タブ記号|[[第5回>正規表現講座/5]]| |\r|改行記号 0D|[[第5回>正規表現講座/5]]| |\n|改行記号 0A|[[第5回>正規表現講座/5]]| |\|直後の記号をエスケープする|[[第5回>正規表現講座/5]]| |^|先頭にマッチ|[[第6回>正規表現講座/6]]| |$|末尾にマッチ|[[第6回>正規表現講座/6]]| * レッツチャレンジ [#ted1c7d3] では、例題です。試しに、HTMLのようなものの検索をしてみましょう。 正規表現テスターを立ち上げ、以下の文章をコピペして、チャレンジしてみてください。~ 上手く行ったら、自分の使っているエディタに正規表現の機能があるかどうか調べ、 そのエディタでも試してみましょう。 なお、正規表現テスターでは、 -シングルラインモードON/OFF:『「.」が改行にもマッチする』(チェックでON) -マルチラインモードON/OFF:『「^$」が各行毎にマッチする』(チェックでON) -改行記号は \n となっています。 * 例題 [#ra4e6e46] #HTMLのようなもの。 #これはコメントです。 <html> <a href="01234.html">電話番号#1="012-3456-7890"</a> <a href="56789.html">電話番号#2="090-0000-0000"</a> <a href="kenokeno.html">へもへも</a> <a href="kenokeno.html">へもへもへも</a> <a href="mononoke.html">ものへも </a> </html> - 電話番号(012-3456-7890とか)にマッチする正規表現を書け。 - 数字で出来たファイル名だけ(01234.htmlとか)にマッチする正規表現を書け((ヒント:「.」はメタ文字です!)) - 「<a href="~">」の部分にマッチする正規表現を書け((ヒント:途中の空白が何文字か決まっていませんね)) - へも、の繰り返しで出来ている部分にマッチする正規表現を書け((ヒント:「へも」を単位とした繰り返しです)) - タグ(<と>で囲まれたもの)に全てマッチする正規表現を書け((ヒント:シングルラインモードは?)) - コメントっぽい行(最初の2行)にマッチする正規表現を書け((ヒント:行の頭が#で始まっていますね)) - 行内で完結しているリンク(<aで始まり/a>で終わる)にマッチする正規表現を書け((ヒント:シングルラインモードは?)) - 全てのリンクにマッチする正規表現を書け((ヒント:最後のリンクはどうしましょう)) * 欲張りなマッチと欲張りでないマッチ [#h8c05c43] さて、最後の問題が厄介だったのではないでしょうか。 単純に「<a.*/a>」などとすると、最後のリンクは改行が混じっているので マッチできませんね。 仕方ないので、シングルラインモード(「.」が改行にもマッチする)を チェックして試してみると、今度は、4つのリンクが全部いっぺんにマッチして しまった筈です。 これは、第3回でちらっと述べた、「最長一致の法則」、別名「欲張りなマッチ」 という仕様が関係しています。 「.*」は、マッチできる限り最長の文字列にマッチしようとします。 「.」が改行にマッチしない場合(シングルラインモードOFF)であれば、 「.*」は改行のところで有効範囲が切れるのですが、 「.」が改行にマッチするようにすると、 何行も何行も延々とマッチし続けてしまうのですね。 つまり、~ ''『「<a」で始まって、改行を含む何文字かがあって、「/a>」で終わる最長の文字列』''~ を探してしまうわけで、途中に「<a」や「/a>」が含まれていても、 それは「.*」の一部分と考えられてしまうわけです。 このような場合に使うのが、「最短一致」です。 &color(Red){「*」「+」の後に「?」をつけると、その場合だけ、「*」「+」は、「可能な限り最短の文字列にマッチ」するようになります。}; シングルラインモードONの状態で、「<a.*?/a>」で検索して試してみてください。 今度は上手く行く筈です。 この場合、~ ''『「<a」で始まって、改行を含む何文字かがあって、「/a>」で終わる最短の文字列』''~ を探すので、このような動作になります。 というわけで、メタ文字の一覧に追加です。~ こればかりは、実際に例題をやって悩んでみないと存在意味がわからないので、~ 最後にもってきたのでした。 |メタ文字|意味|h |*?|直前の正規表現の、0回以上の繰り返し(最短一致)| |+?|直前の正規表現の、1回以上の繰り返し(最短一致)| なお、「*」「+」だけでなく、量指定子と呼ばれる、繰り返しを指定する メタ文字であれば、その後ろに「?」をつけることにより、最短一致に することができます。 * ちょっと脱線 [#wa94b11e] さて、本文中、いきなり「欲張り」とか言い出してふざけてると思ったのではないでしょうか。~ が、実は「欲張りなマッチ」「greedy match」という、正規表現上の専門用語なのです。~ 他にも、「強欲なマッチ」「possessive match」なんてのもあります。 コンピュータの専門用語、特にUNIX系の用語って、プロセスを殺したり(kill)、 プロセスがゾンビ(zombie process)になったり、OSがあわてふためいたり(panic)、 茶目っ気のあるというか、コンピュータを擬人化したものが多いですね。 プログラムをしていると、そういう言葉を使うのは良く分かります。~ プログラミングというのは、無意識にコンピュータやプログラムの「気持ち」を想像して、~ 「プログラムの立場に立って」ものを考えるからでしょうか。 開発の現場にいると、 この子があっちのサーバにリクエストを投げます。もしサーバがダンマリだったり 死んでたりしたら、仕方ないのでDBを見に行って別のサーバに投げなおします。 なんて発言は日常茶飯事、だれも気にせず使っていますが、 このプロセスがあっちのサーバにリクエストを送信します。もしサーバがレスポンスを 返さなかったり、サーバが起動していなかったりしたら、データベースを検索して、 別のサーバに送信しなおします。 というのが正しい日本語ですよね。 * ご指摘などはこちらへ [#kedca7c3] #comment
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TITLE:間違いだらけの正規表現講座 level 7 #contentsx * れっつ練習! [#vdcb7bcb] さて、駆け足でやってきましたが、第6回までの説明で、正規表現での検索の基本の部分は押さえたことになります。 次回からは、正規表現の真骨頂、正規表現を使った置換のやりかたを見ていきますが、 ここらで一旦おさらいを兼ねて、検索の練習をしてみましょう。 * おさらい [#baac8c4b] まずは、今まで出てきたメタ文字をおさらいしましょう。 |メタ文字|意味|出てきた回|h |.|任意の1文字にマッチ|[[第1回>正規表現講座/1]]| |[abc]|[]内のどれか1文字にマッチ|[[第1回>正規表現講座/2]]| |[a-z]|[]内のa~zにマッチ|[[第2回>正規表現講座/2]]| |[^abc]|[]内以外の任意の1文字にマッチ|[[第2回>正規表現講座/2]]| |*|直前の正規表現の、0回以上の繰り返し|[[第3回>正規表現講座/3]]| |+|直前の正規表現の、1回以上の繰り返し|[[第3回>正規表現講座/3]]| |?|直前の正規表現の、0回もしくは1回の繰り返し|[[第3回>正規表現講座/3]]| |()|()内の正規表現を、まとめて1つの正規表現として扱う|[[第4回>正規表現講座/4]]| |\t|タブ記号|[[第5回>正規表現講座/5]]| |\r|改行記号 0D|[[第5回>正規表現講座/5]]| |\n|改行記号 0A|[[第5回>正規表現講座/5]]| |\|直後の記号をエスケープする|[[第5回>正規表現講座/5]]| |^|先頭にマッチ|[[第6回>正規表現講座/6]]| |$|末尾にマッチ|[[第6回>正規表現講座/6]]| * レッツチャレンジ [#ted1c7d3] では、例題です。試しに、HTMLのようなものの検索をしてみましょう。 正規表現テスターを立ち上げ、以下の文章をコピペして、チャレンジしてみてください。~ 上手く行ったら、自分の使っているエディタに正規表現の機能があるかどうか調べ、 そのエディタでも試してみましょう。 なお、正規表現テスターでは、 -シングルラインモードON/OFF:『「.」が改行にもマッチする』(チェックでON) -マルチラインモードON/OFF:『「^$」が各行毎にマッチする』(チェックでON) -改行記号は \n となっています。 * 例題 [#ra4e6e46] #HTMLのようなもの。 #これはコメントです。 <html> <a href="01234.html">電話番号#1="012-3456-7890"</a> <a href="56789.html">電話番号#2="090-0000-0000"</a> <a href="kenokeno.html">へもへも</a> <a href="kenokeno.html">へもへもへも</a> <a href="mononoke.html">ものへも </a> </html> - 電話番号(012-3456-7890とか)にマッチする正規表現を書け。 - 数字で出来たファイル名だけ(01234.htmlとか)にマッチする正規表現を書け((ヒント:「.」はメタ文字です!)) - 「<a href="~">」の部分にマッチする正規表現を書け((ヒント:途中の空白が何文字か決まっていませんね)) - へも、の繰り返しで出来ている部分にマッチする正規表現を書け((ヒント:「へも」を単位とした繰り返しです)) - タグ(<と>で囲まれたもの)に全てマッチする正規表現を書け((ヒント:シングルラインモードは?)) - コメントっぽい行(最初の2行)にマッチする正規表現を書け((ヒント:行の頭が#で始まっていますね)) - 行内で完結しているリンク(<aで始まり/a>で終わる)にマッチする正規表現を書け((ヒント:シングルラインモードは?)) - 全てのリンクにマッチする正規表現を書け((ヒント:最後のリンクはどうしましょう)) * 欲張りなマッチと欲張りでないマッチ [#h8c05c43] さて、最後の問題が厄介だったのではないでしょうか。 単純に「<a.*/a>」などとすると、最後のリンクは改行が混じっているので マッチできませんね。 仕方ないので、シングルラインモード(「.」が改行にもマッチする)を チェックして試してみると、今度は、4つのリンクが全部いっぺんにマッチして しまった筈です。 これは、第3回でちらっと述べた、「最長一致の法則」、別名「欲張りなマッチ」 という仕様が関係しています。 「.*」は、マッチできる限り最長の文字列にマッチしようとします。 「.」が改行にマッチしない場合(シングルラインモードOFF)であれば、 「.*」は改行のところで有効範囲が切れるのですが、 「.」が改行にマッチするようにすると、 何行も何行も延々とマッチし続けてしまうのですね。 つまり、~ ''『「<a」で始まって、改行を含む何文字かがあって、「/a>」で終わる最長の文字列』''~ を探してしまうわけで、途中に「<a」や「/a>」が含まれていても、 それは「.*」の一部分と考えられてしまうわけです。 このような場合に使うのが、「最短一致」です。 &color(Red){「*」「+」の後に「?」をつけると、その場合だけ、「*」「+」は、「可能な限り最短の文字列にマッチ」するようになります。}; シングルラインモードONの状態で、「<a.*?/a>」で検索して試してみてください。 今度は上手く行く筈です。 この場合、~ ''『「<a」で始まって、改行を含む何文字かがあって、「/a>」で終わる最短の文字列』''~ を探すので、このような動作になります。 というわけで、メタ文字の一覧に追加です。~ こればかりは、実際に例題をやって悩んでみないと存在意味がわからないので、~ 最後にもってきたのでした。 |メタ文字|意味|h |*?|直前の正規表現の、0回以上の繰り返し(最短一致)| |+?|直前の正規表現の、1回以上の繰り返し(最短一致)| なお、「*」「+」だけでなく、量指定子と呼ばれる、繰り返しを指定する メタ文字であれば、その後ろに「?」をつけることにより、最短一致に することができます。 * ちょっと脱線 [#wa94b11e] さて、本文中、いきなり「欲張り」とか言い出してふざけてると思ったのではないでしょうか。~ が、実は「欲張りなマッチ」「greedy match」という、正規表現上の専門用語なのです。~ 他にも、「強欲なマッチ」「possessive match」なんてのもあります。 コンピュータの専門用語、特にUNIX系の用語って、プロセスを殺したり(kill)、 プロセスがゾンビ(zombie process)になったり、OSがあわてふためいたり(panic)、 茶目っ気のあるというか、コンピュータを擬人化したものが多いですね。 プログラムをしていると、そういう言葉を使うのは良く分かります。~ プログラミングというのは、無意識にコンピュータやプログラムの「気持ち」を想像して、~ 「プログラムの立場に立って」ものを考えるからでしょうか。 開発の現場にいると、 この子があっちのサーバにリクエストを投げます。もしサーバがダンマリだったり 死んでたりしたら、仕方ないのでDBを見に行って別のサーバに投げなおします。 なんて発言は日常茶飯事、だれも気にせず使っていますが、 このプロセスがあっちのサーバにリクエストを送信します。もしサーバがレスポンスを 返さなかったり、サーバが起動していなかったりしたら、データベースを検索して、 別のサーバに送信しなおします。 というのが正しい日本語ですよね。 * ご指摘などはこちらへ [#kedca7c3] #comment